そんなあなたのおかげで10年間活動して来れました。イチと申します。
今回のリリースについて少しだけ前置きという感じで長いんですが綴ってみる。読んでも読まんでもいいよ。
元々ベストアルバムというものは好きじゃない側面も多々ありまして。
知名度のある曲を引っ張りぬいて曲数揃えて、なんとなく音量揃えてちょっとした新曲かボーナストラックを加えてハイどうぞ、ってのはなんか愛が無く感じる。
~~ってアルバムの〇〇って曲のアウトロからの流れで××って曲のイントロ入るのがたまらんのだよな・・・!
みたいなアルバムの文脈みたいなのが無視されてしまうのが悲しく感じる。
もちろん、上記は僕の捻くれた逆張りおじさん的な価値観で語るところであるので、
ベストアルバムという形式に良い側面もたくさんあるのは理解している。
例えば曲数が膨大になってきたバンドは何から聴いたらいいのかわからなくなったりする。
そういったときの入門にこれほど丁度いいものはない。
僕だって知らないバンドとか古いバンドを聴くときはとりあえず代表曲が入ってるアルバムかベストアルバムを聴く。そこから掘る。
でもやっぱり、なんでだろうか。自分が作ることはないだろうと思っていた。
長く活動を続ける予想もできなかったし、そんな大層な音楽活動でもないと思っていました。
そうこうしているうちに、少年ヴィヴィッドという名前で活動を始めて10年が経過しました。2011年5月に最初のアルバム"O2"を引っ提げ活動を開始し、もう10年。ちょうど2021年が10周年となります。
いや、とはいえぶっ続けて活動を続けていたわけではありません。
厳密に申し上げますと、"O2"の頒布と同時に発足し、2016年に天狗ノ舞とのスプリットアルバム"ニナの群像"を頒布。その後一時活動を休止しました。
一言で言えば音楽やるのがしんどくなってやめました。
当時の心境はよく覚えています。若かったなあと今なら酒の肴にできそうな気もしますが、本気で音楽やる自分への葛藤を感じてましたね。
まあでも、とりあえずそれは置いておく。
その後、様々なきっかけがありライブを皮切りに活動を再開。
メンバーにも恵まれ本当に楽しんで2018年に"blank"、2019年に"sink"をそれぞれ発表しました。
今なお音楽活動は継続されており、ライブの度に、リリースの度に新しい楽しさや自分の進歩を感じ続けています。一人ではできなかっただろうなーと心底思います。
バンドとしての性質を強めた活動再開後の、まさに今現在をを第2期と定義するならば、活動休止前の、一人承認欲求と葛藤と創作意欲の狭間で揺れに揺れながら勤しんでいたころは第1期とでも呼べるでしょう。
そんな中で、ライブをやるたびに感じる手ごたえを形にしたいというエゴ。10周年の節目に何かリリースしたいという思い。今の自分達だったら昔の曲をもっとよくできるのでは、という成長。
ライブで当たり前に披露する楽曲を収録した休止以前・・・上で言う第1期のCDもうほとんど在庫が無く、手に取ってもらえる機会もなければ聴いてもらうのも困難であるというもどかしさ。
活動再開後に知ってくれた人たちに、こういう前史もあったんだよ、と触れてみてもらいたいという欲求。
今だから許せる若いころの自分とか、まあなんか振り返るにたくさんの気持ちがあふれてきたんですね。
そういった思いが様々綯交ぜになって、この度初めてベストアルバムを作ろうという発想に至りました。
最初に書いたように、既存の発表した姿でただ曲順だけ並べて・・・なんて形は嫌だな。
もう古いCD持ってるっていう人にも楽しんでもらえて、新しく聴いてくれる人にも楽しんでもらえるようなものが作りたい。ベストアルバムだって性質を排除したとしても、1枚のCDとしてきちんとしたものを作りたい。
などなど様々なわがままを胸に、今回活動休止以前の曲、上で言う第一期(2011年 ~ 2016年)に限定して16曲を選定し、現在の手ごたえや成長を反映するべく歌から楽器からほぼすべてを録音し直し、新たな形として、集大成として、ベストアルバムという形でもって頒布することに決めました。
74分しか納められないCDに70分30秒詰め込みました。時間足りなく無くなるんじゃないかとマジで焦った。
自分ではものすごい満足な作品となりましたので、いろんな楽しみ方で楽しんでもらえたら本当に幸いです。
2021年2月の某日 濃い目のコーヒーと残業に塗れながら。 イチ
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