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ソラノシラベ
2024/04/17[Wed]
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2021/03/07[Sun]







そんなあなたのおかげで10年間活動して来れました。イチと申します。



今回のリリースについて少しだけ前置きという感じで長いんですが綴ってみる。読んでも読まんでもいいよ。

元々ベストアルバムというものは好きじゃない側面も多々ありまして。

知名度のある曲を引っ張りぬいて曲数揃えて、なんとなく音量揃えてちょっとした新曲かボーナストラックを加えてハイどうぞ、ってのはなんか愛が無く感じる。

~~ってアルバムの〇〇って曲のアウトロからの流れで××って曲のイントロ入るのがたまらんのだよな・・・!
みたいなアルバムの文脈みたいなのが無視されてしまうのが悲しく感じる。

もちろん、上記は僕の捻くれた逆張りおじさん的な価値観で語るところであるので、
ベストアルバムという形式に良い側面もたくさんあるのは理解している。

例えば曲数が膨大になってきたバンドは何から聴いたらいいのかわからなくなったりする。
そういったときの入門にこれほど丁度いいものはない。
僕だって知らないバンドとか古いバンドを聴くときはとりあえず代表曲が入ってるアルバムかベストアルバムを聴く。そこから掘る。

でもやっぱり、なんでだろうか。自分が作ることはないだろうと思っていた。
長く活動を続ける予想もできなかったし、そんな大層な音楽活動でもないと思っていました。

そうこうしているうちに、少年ヴィヴィッドという名前で活動を始めて10年が経過しました。2011年5月に最初のアルバム"O2"を引っ提げ活動を開始し、もう10年。ちょうど2021年が10周年となります。

いや、とはいえぶっ続けて活動を続けていたわけではありません。

厳密に申し上げますと、"O2"の頒布と同時に発足し、2016年に天狗ノ舞とのスプリットアルバム"ニナの群像"を頒布。その後一時活動を休止しました。

一言で言えば音楽やるのがしんどくなってやめました。
当時の心境はよく覚えています。若かったなあと今なら酒の肴にできそうな気もしますが、本気で音楽やる自分への葛藤を感じてましたね。

まあでも、とりあえずそれは置いておく。

その後、様々なきっかけがありライブを皮切りに活動を再開。
メンバーにも恵まれ本当に楽しんで2018年に"blank"、2019年に"sink"をそれぞれ発表しました。

今なお音楽活動は継続されており、ライブの度に、リリースの度に新しい楽しさや自分の進歩を感じ続けています。一人ではできなかっただろうなーと心底思います。
バンドとしての性質を強めた活動再開後の、まさに今現在をを第2期と定義するならば、活動休止前の、一人承認欲求と葛藤と創作意欲の狭間で揺れに揺れながら勤しんでいたころは第1期とでも呼べるでしょう。

そんな中で、ライブをやるたびに感じる手ごたえを形にしたいというエゴ。10周年の節目に何かリリースしたいという思い。今の自分達だったら昔の曲をもっとよくできるのでは、という成長。

ライブで当たり前に披露する楽曲を収録した休止以前・・・上で言う第1期のCDもうほとんど在庫が無く、手に取ってもらえる機会もなければ聴いてもらうのも困難であるというもどかしさ。
活動再開後に知ってくれた人たちに、こういう前史もあったんだよ、と触れてみてもらいたいという欲求。

今だから許せる若いころの自分とか、まあなんか振り返るにたくさんの気持ちがあふれてきたんですね。

そういった思いが様々綯交ぜになって、この度初めてベストアルバムを作ろうという発想に至りました。
最初に書いたように、既存の発表した姿でただ曲順だけ並べて・・・なんて形は嫌だな。
もう古いCD持ってるっていう人にも楽しんでもらえて、新しく聴いてくれる人にも楽しんでもらえるようなものが作りたい。ベストアルバムだって性質を排除したとしても、1枚のCDとしてきちんとしたものを作りたい。
などなど様々なわがままを胸に、今回活動休止以前の曲、上で言う第一期(2011年 ~ 2016年)に限定して16曲を選定し、現在の手ごたえや成長を反映するべく歌から楽器からほぼすべてを録音し直し、新たな形として、集大成として、ベストアルバムという形でもって頒布することに決めました。

74分しか納められないCDに70分30秒詰め込みました。時間足りなく無くなるんじゃないかとマジで焦った。
自分ではものすごい満足な作品となりましたので、いろんな楽しみ方で楽しんでもらえたら本当に幸いです。



2021年2月の某日 濃い目のコーヒーと残業に塗れながら。 イチ




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2020/12/22[Tue]
寒くなってきた。少し冷えた指先を自販機で買った缶コーヒーで雑に温めながら、スタジオ帰りのギターを背負った僕は最寄り駅の改札を出た。
だんだん日が暮れるのも早くなった。なんとなく時間の速さを感じる。つい最近まで夕方5時なんてまだまだ明るかったのに、今ではすっかり深い深い湖の水面のように、しっとりとした紺色に染まっている。

冬、わりと好きだけどこの寒さは堪えるな、などと思いながら家に歩みを進める。
肩に乗るギターが重い。早く荷を下ろして楽になりたい。
そういえば晩は何を食べよう。食べて帰るには少し早いなと思案しながら、最寄りのスーパーの近くを通りかかると、少し香ばしい香りを携えて今川焼きの移動販売車がぽつりと寂しそうに止まっていた。

この世情を映してか、客足は少なく、少しガタイのいいおじさんが静かに車内で今川焼きを焼いていた。
気付くと僕の足は自然とそちらに向いていた。甘党の僕はいくつかつまんで晩御飯がわりにしてもいいだろうと思ったのだ。

「あんことクリームを2つずつください」

全部食べるわけじゃない。朝温め直したっていい。

「ごめんお客さん、あんこ今焼いてるんだ。5分くらい待ってくれる?」

おじさんはでかい手で上手いこと生地を整えつつ、太い声で少し申し訳なさそうにしながらこちらを見た。5分くらいならいいかと思い、待つことにした。手に持った缶コーヒーを一口啜った。まずい。うまい。

「お兄ちゃんバンドやってんの?」

背負ったギターを見ておじさんは僕に声をかけた。よく目立つから、よくあることだ。

「そうなんですよ、趣味なんです」

「そうかぁ、おっちゃん割と手先使う仕事で器用な方なんだけど、ギターだけはダメだったわ」

なんだか懐かしむようにおっちゃんは語る。よほどお客さんがいなかったのか、僕が話し相手にちょうど良かったのか、こいつは聞いてくれると思ったのか。だんだんと興に乗ったおっちゃんは語りだした。
今川焼きは副業で、コロナの影響で本業が開店休業状態だとか。コロナのせいでこういうキッチンカー系もあんまり良くみられないだとか、稼がないと嫁さんに怒られるだとか。ほぼおっちゃんの独演会と化した、愚痴にも似た一人語りを受け流しているうちに、今川焼は焼き上がり、ひょいひょいと、一つ多めに紙袋に詰め込まれた。

「聞いてくれたから一個サービスね。よかったらまた来て」

会計を済ませて家路につく。歩きながら、激動の今年を振り返った。思えば、僕はまだライブもできている。配信もできている。仕事だって大きな影響はなく、変わらず、平和に暮らしている。好きなことがやれる環境にある。自分は恵まれてるし、やらなきゃなと思った。
片や、仕事がなく、こんな寒い中慣れぬ今川焼を焼いているおじさんだっている。懇意だったライブハウスもつぶれた。バンドを止めた友達もいた。もっとしんどい環境で頑張っている人もいる。早く、そんな抑圧から解放されるといいなと、思った。

手に持った紙袋が少しずつ冷えていくのを感じた。行儀が悪いが暖かなうちに一つ食べようと、紙袋に手を突っ込み、手に取って、被り付いた。香ばしく焼けた生地の香りより、中に入ったあんこより、どろどろとした半生の粉の味が口いっぱいに広がった。
客がいない本当の理由が、分かった気がした。


追伸、3月の例大祭に申し込みました。音が出る丸い板を作ります。

2019/03/04[Mon]
たまにはブログも書かねばならんなと思い立ち。
熱が醒めないうちに思うことをしたためようと思います。
ホントは告知とかもこっちで打てよって話なんですがここ読む人はみんなツイッター見てんじゃねえかなと思い。
とはいえなんかリリース情報とか集約しているサイトは必要かもしれんなーと思う日々。

それは置いておくけど。
ライブに出ました。

2019/03/02 界雷の塔@大宮ヒソミネ

本当に良いライブでした。
自分たちのことは後ろで長々語るんで、あの場に居た感想を先に。

Kurage seek roomの湯豆腐、天狗ノ舞の玖くん(以下シゲオと記載します)2人の企画・・・ということですが、二人をビジュアル面で支えているまちどりさんも加えて3人の企画だと勝手にとらえてます。3人とも本当にお疲れさまでした。すごく楽しかった。素晴らしいイベントでした。
最初に声をかけてもらった時点で映像とか使いながら、空気感のあるバンドを呼んでライブをやりたいと聞いていました。
そんな言葉もあったので、セットリストも雰囲気のある曲を選ぼう、とか、そういうものを大事に気合入れていこうね、なんてメンバーのモチベーションもすごく高く臨みました。
個人的にこの3人が大好きで、言葉選びのセンス、メロや楽曲、デザインやイラスト、彼らが行う創作活動というものに関しても非常にリスペクトしてまして
そんな方々に声をかけてもらって、彼らが手掛ける映像と掛け合わせたライブのイベント、という新しい創造のスタートに、その一部として関わることが出来て、本当に幸せに思っています。
シゲオは特に、俺が少年ヴィヴィッドという名前で始める前からの知り合いで、MCでも言いましたが思えば10年近くの付き合いになりますし、当時の知り合いで精力的に活動している友人って少なくなってしまったなとしみじみ思ったんですが
そんな彼が変わらず、俺に声をかけてくれることにとてもうれしい気持ちを抱いています。

1発目の深夜放送の演奏と砂嵐の取り合わせに本当に恐ろしいほどの鋭さを感じて、今日はもうすごいことになるだろうなと1人ものすごい緊張していました。あそこで空気が変わったと思う。
あんなオンリーワンなバンドはそういない。真似できない。

Kurage seek roomはもう、ズルいなーという気持ちしかわかない。ファンなんですけど。感覚でしかものが言えない。
冷たくやわらかく、でもどこか優しいところがあって、飲まれていけばいくほどあったかくなっていくというか。クラゲが浮かんでいる映像がすごくなるほどな、という感覚。
湯豆腐の声がそうさせてるのか、ひじきくんのギターが優しいのか、それともリズムのここにいてほしいな、って言うところにしっかり寄り添う感じが心地よいのか、まだよくわからないんですが、やっぱ好きだなあと思いました。蠢眠にて という曲がたまらなく好きだ。

もう一緒にやるのは5年ぶりくらいになるのかな、めちゃくちゃ久しぶりの群青リボンは、記憶に残ってた音像からすごく研ぎ澄まされてて、ああすごいバンドだなあと感じました。
3人であれをやれるって、ほんとすごい。メンバー感でやりたいこととか、この曲はこうだっていう相互理解がすごく深いんだろうなあとなんとなく思いました。みんな同じ方向を向いて歩いているような気がするというか。
個人的に抱壊レディっていう曲にものすごい思い入れがあって、聴けるとすごい嬉しいんですよねやっぱり。

うちのことは割愛。後で後ろで長々書きます。

最後。天狗ノ舞。もうずっと言ってるんですがこのサークルが大好きです。
メロがかっこいい、ギターのフレーズがかっこいい、キメがかっこいいし、ボーカルがかっこいい。俺がかっこいいと思うものめっちゃ詰め込みました!みたいな曲で本当に好き。
電気さんには本当に圧倒された。パッと見るとちょっと背伸びで歌ってるような感じなんですが、声だけで全部持っていけるような、化け物みたいなボーカルを披露していて凄まじかった。
たまに歌うシゲオの声が俺はすごい好きで、しかも今回はすごく好きな曲をやっていたので非常にうれしかった。あまりに語彙が無くて恥ずかしくなるけど、本当に良かった。

今年1発目でこんな素晴らしいライブに混ざることが出来て光栄でした。
また呼んでください。待ってます。

俺も頑張らねえとなーーーーと思いました。

以下自分のバンドの話。長いよ。


少年ヴィヴィッドはこんなセットリストでした。

シオン
Stand by Me
紙飛行機
空想と隙間
usotsuki
レイニーレイニー
カレイドスコープ

お疲れさまでした。
しょっぱなからピック落したりとなかなか緊張の度合いが良く見て取れる感じだったのでは。

かなり攻めたセットリストを組みました。
今回はメンバーのやりたい曲をかなり取り入れたので1曲ずつなんとなく思い入れとかそういうのを語る。

・シオン
最新作blankから。ドラムのジュンさんがやりたかった曲。ライブでは初披露。
後述するStand by Meもそうなんですがこの手の静と動、感情の起伏やダイナミクスに満ちた曲は
おそらく今の僕らは結構得意なタイプの曲で
良くも悪くも取り沙汰されやすい、エモさというキーワードを武器に、
自分たちの空気で飲み込めるような演奏が出来ているんじゃないかなと思います。
歌うという仕事があるのでマイク前から動けませんが、Aメロとサビの対比で
メンバーが素晴らしく静と動を表してくれているので素敵です。

・Stand by Me
アルバムRewindから。個人的には少年ヴィヴィッドの代表曲と位置付けています。
上述のように、今僕らが最も得意にしているレパートリーと言っても過言ではない定番です。
この曲をやると、メンバー全員の表現のベクトルが合致するというか、同じ方を向けるというか
上手い言い回しはできないんですが、しっくりきます。
シオンと同じ6/8で傾向が似てる曲を重ねて大丈夫かなという懸念はあったんですが
やりたかったしやらんとはじまらんしサイコーに楽しいからしょうがないよね!

・紙飛行機
同じくRewindからの選曲。2017年12月のANOTHER VISIONというライブ以来の演奏。
ギターの平茸が好きな曲で、今回1年ちょっと振りに復活しました。
後々判明しましたがベースの深澤も好きということで、かなりメンバー人気の高い曲です。
1~3曲目全部6/8で、かなり不思議な曲の並びだったんじゃないかなと思います。
この曲は前回やったときに、歌うのがすごく難しい曲だなあと思ったんですが
2018年に場数を経て、今ならもう少しうまく歌えるんじゃないかなと挑戦してみましたが、当時を知ってる皆さんはいかがだったでしょうか。
個人的には自分のレベルアップを感じることが出来た、非常に満足のいく出来で歌えました。

・空想と隙間
最新作blankから。ここからの2曲は頭3曲と打って変わって、なんちゃってジャズとなんちゃってファンクみたいな変なノリで、乗れるもんなら乗ってみな!というゾーンに入ります。
個人的にはこういった曲がかなりお気に入りで、隙あらばやりたい。
この曲に関しては周囲の知り合いからの人気も高く、いつかやりたいなとは思ってました。
そういった背景を踏まえて、深澤が推してきたので選ばれ初披露と相成りました。
演奏するにあたって、この曲の変わったノリが出るのかどうかって非常に不安だったのですが
1回目のスタジオリハで自分が飲み物を買いに一度外へ出て、戻ってきた際に俺抜きの3人でちょうどこの曲を演奏している場面がありまして。
それのノリが非常に良くて、それを聴いてああこれは全然いけるわと確信を得ることが出来ました。
こういう曲がやれるのってすごく強みだなと感じています。今演奏できる幅が非常に広がっているんだなと強く実感しました。
自発的に起こった2拍4拍の手拍子、ふっと見える横揺れに、観てくれている皆さんのやさしさと意地と楽しさを見ました。置いてけぼりにしてしまうんじゃないかと思ってたんですが、乗ってくれてありがとう。

・usotsuki
初出はLittle Storiesというアルバム。非常に思い入れがあり、俺が好きな曲です。
ライブでの演奏は活動休止(?)前、2014年5月振りとなります。
2サビからのテンションがたまらなく好きで、演奏していて非常に楽しくなって我を忘れてしまうんですが、こういう曲でふっとメンバーと目が合う瞬間が楽しい。
この曲でも自発的に手拍子が発生して、うれしかったんですが
そういえば前回やったときは手拍子も俺が煽ってようやくみんなやってくれたなとかなんとなく思い出して、当時に比べれば皆さんをちゃんと巻き込んで連れていけるような演奏が出来ているのかもしれないなとひそかに自信を持ちました。ありがとう。

・レイニーレイニー
最新作blankから。この曲は2018年のライブでも演奏頻度が高く、こなれてきている楽曲になります。
ここまでミドルテンポや少し変なノリの曲が多く、一体になって乗る曲が無かったんですが
今回唯一分かりやすく前に乗れる曲だったせいかこの時の一体感はすごかった。
湯豆腐だったかシゲオだったか、打ち上げの席で「まるでワンマンライブのような一体感だった」とのお言葉を頂戴しました。みなさんのおかげ。

・カレイドスコープ
Rewindからの選曲。ライブでは初めてやる曲です。レアです。
今回Rewindからの曲が多かったな。個人的に気に入ってるアルバムです。聴いてね。
この曲もいつかやりたいなーと思ってたんですが、今回俺が名前を挙げる前に深澤がやりたいと推してくれて、俺もやりたいからやろう!と突っ込んだ曲になります。
アルバムでも最後に配置されている曲で、少し退廃的な雰囲気で締まるかなと期待しました。
この曲も不思議な空気感を持った曲なので、今回のライブコンセプトにあった後味で終えられたのではないかと思います。
本当に演奏できる曲の幅が広がったなあと、なんとなく実感したのでした。



そんな感じで楽しくやって、天狗見ながらビール飲みまくったら
打ち上げにはもう気持ち悪くなってました。世も末。









2018/10/26[Fri]
熱の残っているうちにいろんなものを書き出しておくべきなのかもと思い
かといってなんかフラットに見えない自分が恥ずかしくて少し経ってしまった



改めて第七次百鬼戦争と幻想大作戦
及び秋季例大祭と紅楼夢 ありがとうございました。
過去一番活動的だった10月が少しずつ終わっていこうとしています。

特に今回、ライブが刺激的だったので、褪めないうちに書き記していこうと思う。



10月13日、第七次百鬼戦争というイベントに出ました。ホームと言ってもいい、赤坂天竺。2回目だけど。
MCでもしこたまかっこつけさせていただきました。
とにかく百鬼戦争というイベントはある意味で主催以上に、思い入れの強いイベントです。 
そうなった経緯は こちら でも書いたのである程度省きますが
死に場所を探してた自分をもう一回引っ張り上げてくれて、もう一回音楽をやらせてくれた
そんなイベントに、今人生で一番楽しいと言えるメンバーと組んだバンドでもって戦いに行ける
こんなにうれしいことってね、やっぱりないです。
君たちのおかげで、1年でここまでやれるようになったよ、もう負けないよと
演奏でもって示せたんじゃないかなあと思います。

そんな中で迎えた10月20日 幻想大作戦。
これが本当にすごかった。モジャン棒が素敵すぎた。
百鬼からの1週間、色んなくやしさとかあったのを僕は見てましたし
そういうフラストレーションを全部消化して、ものすごいライブをやってのけてました。
めちゃくちゃうれしかったし、おかげでめちゃくちゃ緊張しながらライブやりました。
こうやってお互い刺激しあってクオリティを高めていけるモジャン棒って存在がより好きになりました。
この日はそれとは別に、かっこいい後輩iTiにもいいとこ見せたかったし
何より、長いことかわいがってくれているトカゲさんにも成長を見せたかったしで
かなり個人的にプレッシャーを抱えまくってステージへ上ったんですが、大阪の熱さに全部ぶっ飛びました。
素晴らしく楽しかった、大阪。また是非行きたい。

あともう全部楽しく酒飲んだ思い出しかない。
これは語るのも野暮なんで大事に己の糧にします。

10月、最高に楽しかった。
もう自分から音楽止めようとか言わないです。
とりあえず飽きるまで、またマイペースにやるんでよろしくお願いします。













2018/08/08[Wed]
大都会の隅っこで今日も書けもしない文字を書き綴っているわけで。

メトロポリスは今日台風の足音がします。夏の陽気を飲み込んだコンクリを今流行りの打ち水のごとく冷まし、比較的過ごしやすい夏の夜を醸しています。
そんな過ごしやすい気温を尻目にバカみたいに熱を吐くデスクトップPCで暖をとるかのごとく居心地の悪い部屋に引きこもり画面に向かうのです。
平成最後の夏だと世はにわかに沸き立ってるように感じつつも、涼しげな浴衣やカラリとなる下駄、夕闇に生える花火などにはまるで縁はなく、無駄に湿度の高い部屋の中、湿気を吸って少し音の抜けないストラトを爪弾くのです。

迷走する台風の行く末を、通勤電車の邪魔をしてくれと一抹の期待を込めて見守りながら、今日も雨とは無縁な部屋にこもり、縁のない夏の景色を大きくなった低気圧が塗り潰してくれないかと淡く応援するような心持です。

そうこうしているうちにだいぶ遠いはずだった締め切りというデッドラインが幾分近づいてきました。言いたいことと音数がかみ合わないもどかしさと、自分の滑舌の悪さに葛藤しながら迷走する音程を何とか制御して歌に向き合う心構えを始める冷たい夏の日の夜であります。

何が言いたいかというと夏コミの新譜告知とかに浮かされたってわけ。
俺もやりたいな。秋ちゃんと出すんで待っててください。
そうこうしてるうちに睡眠時間は消え失せて、もう少しあと少しと惰眠を貪るモンスターが生まれる毎日です。肉が食べたい。















2018/04/26[Thu]

少し触れれば溶かせるのかな
逆さまの部屋 手ごたえもなく 揺れる
同じ形を探し続けた
色は違えど変わりゃしないな

濁る感情論 ぶち壊すよ
未来なんて理解できないよ

重なり合った夢を見たくて
嘘付き合って欠片を抱いている
変わってゆく世界の中で
行方知らずのままでよかった
止まない雨が言葉をさらっても
変わらないまま夜が終わるまで

二度目の言葉抱えたままで
落ちてゆくのさ 手の鳴る方へ

満たせ感傷を 打ち鳴らすよ
祈りなんて理由持たないよ

重なり合った夢を見たくて
嘘付き合って欠片を抱いている
変わってゆく世界の中で
足りないものは死ぬほどあって
失う度にこの身を焼いている
忘れたまま泣いていたのは誰

交わり合った色を見たって
疑いなんて欠片もないのだろう
まがい物の居場所の中で

重なり合った夢を見たくて
嘘付き合って欠片を抱いている
変わってゆく世界の中で
優しい声でさよならなんて
作り笑いの街を歩けたなら
揺れ動くわ いつか笑えるまで


https://soundcloud.com/ichi_luckystar/demo


2017/12/26[Tue]

ここに何か文字をしたためるのが久しぶりすぎてどんな書き出しにしようか迷う。
僕は元気です。

Twitterでは散々垂れ流していたのですが今年はライブを2度もやりました。
8月の百鬼戦争、つい先日のANOTHER VISION
少年ヴィヴィッドが年二度もライブをやるというのはかなりミラクルでしたが
まあ本当に楽しく楽しくやらせてもらいました。
どちらのライブも本当に得るものが多かったんですが、特に先日のライブを終えて何やら自分の中に渦巻いているものを鮮度の高いうちに文字にしておこうと思った次第。



割と支離滅裂な文章になるだろうなと予想してる。



まず8月。このライブに出れたのは本当に自分にとって大きなことだった。
メンバーの都合もついてない中で粘り強く誘ってくれたたなじゅんにはほんとに感謝してます。

話をもらった段階で平茸は出れないことが確定。メンバーの都合は深澤しかつかない。
ドラムもいない。アテは全部外れた。キーボードもいない。ギターもいない。自分だけ。
近作は鍵盤ありきで作ってる曲も多いし、表現力の薄まった少年ヴィヴィッドで出る意味はあるのか?本当に出るか?どうする?って何度も悩みましたが「もう最悪俺と深澤で弾き語りでもなんでもやるか」と腹くくって意地でも出ると決意。
そんな中、困りに困ってたところたまたま友人の紹介でジュンさんと知り合う。
これがすごく大きい出会いで、一回スタジオ入ったらもう不安はなくなった。

3人じゃ少年ヴィヴィッドの曲はできないと思ってたけど全然違った。
3人だからやれる少年ヴィヴィッドがあった。
古い曲ばっかやった。シンプルが悪じゃなかった。それが好きな人もたくさんいた。
これがもう心底楽しかった。昔はこうやってたなとすごく思い出すような気持ちになった。
まだやりたいなと思った。

そんな体験を踏まえて、12月のANOTHER VISIONを迎えた。
今回は平茸も参戦してくれたので4人になった。
曲を決めるにあたってものすごい悩んだ。でも何より最初にStand by Meって曲がどうしてもやりたかった。この曲をライブでやってないことだけが自分の活動の心残りだった。
なんか3~4年前からずーっと空白を再生していたような気分で、とにかく真っ先にやりたかった。この曲が終わって、ようやく今の自分に帰ってこれたような気分にすらなりました。
おかげでなんだか今は燃え尽きたような、空っぽになった気分です。

12月にやりたい曲はそれこそ山ほどありました。
usotsuki、ノスタルジア、Letter、夕凪モノクローム、瓶詰の街、ビターワールド、エトランジェ・・・挙げたらキリがないけどやれるもんなら全部やりたかった。
それでもこの4人だからこそやれるんじゃなかろうか、という曲を中心に選んでみた。
それがよかったか悪かったかはわからないです。もしかしたらおとなしい曲調が聴きたかった人もいるかもしれませんが、少なくとも楽しく、感情込めてやれたなとは思います。

メンバーと酒飲んだりスタジオ入ったり積み重ねて、互いの理解が進んだらもっとやれる曲も増えてくると思うし、これから積み重ねていけたらと思います。
何よりメンバーがライブをやりたがってくれるので、マイペースに年1~2回くらいやれたらいいなと思ってます。

今回3年間のブランクがあって、久しぶりのライブをやって、いろんな人に触れて、いろんな声をもらいました。
正直コンスタントに活動できないのは悪だし、早く何らかの物を出さないとみんないなくなってしまうんじゃないか、みたいな気持ちが弱い自分の中に多々あったのですが、もしかしたらマイペースでもいいのかも、という気持ちになってきました。
ここのところ、特に今年1年、いろいろ自分の中に抱えてる思いがあって、それがうまく解消出来たらまた自分のペースで制作も再開できたらと思ってます。
3年も待っててくれた君たちをより待たせるのは何か忍びないけど、またその時会えたらいいなと思います。

なんか活動を休止するような文章になりましたが
ライブでも言いましたけどものんびりマイペースにやりますので
今後ともよろしくお願いします。


2016/10/04[Tue]




紅楼夢頒布物まとめ。



・『ニナの群像』 ¥1,000

  

今回の新譜です。
散々書いてるんで省略しつつ書きますが、とにかく玖くんとなんかやろうというところからスタートして、各々好きにやって行きついたという感じのアルバム。
単純にもう、玖くんのやってる音楽すごい好きだったんです。僕は天狗ノ舞ファンなので、好きなサークルとこうやって一緒に作品を作れて、お互いのカバーまでやれて、大満足って感じです。
僕の曲はもう、転調・BPMの変化・3/4と4/4を行ったり来たりともうやりたい放題やらせてもらってます。ひねくれつつすっと聴かせる曲を作ってみたかった。
なんか1曲でもひっかかる曲があったらいいなあと思う次第です。僕はtr.5が半端なく好きです。




・『rem』 ¥1,000

 

前回の紅楼夢で出したCDですね。6枚目のアルバム。そんなにCD出してんのか・・・。
このCDはRewindの延長戦みたいな感じで、やりたいなと思ったことを特に恐れずひねらずに、そのまま形にしていったものの集合という感じ。
ツインボーカルがやりたかったんだ、田辺さんと。たまには自分の好きなヴォーカルがメインに座ってくれる曲を作ってみたいなと思っただけだったんです。
既存曲のリテイクが多いんですが、この理由はアルバム3~4枚のスパン、3~4年の時間を置いて、今の自分がどこまで昔の曲を磨けるかなあとチャレンジしたくなったという部分と、もう一つはとにかく2014年にやったライブの感触が良かったという印象が自分の中に根強く残っていたこと。
もうめちゃくちゃ楽しいし無敵感が凄くて、自分の作った形がより強く、より良い形に昇華されていく感覚が物凄くて。この感覚を形に残しておきたいなあと思ったというのが大きな理由です。
後は、単純に3~4年経ち、元のCDが入手できなくなった今、よくライブでやる曲を聴いてもらいたい。すでに知っている人たちにも楽しんでもらいたい、というのもありました。
今聴くとやはりthistleはかなりかっこよくまとまってたんだなーと改めて認識してます。平茸パワーは偉大だ。
個人的な好み全開で行くとビターワールドというのが非常に気に入っております。歌詞も曲もメロも全部ものすごくおいしく書けました。



・『Rewind』 ¥1000

 

5枚目のアルバム。去年書いたテキストそのまま引っ張っちゃうけど
もう最新作じゃないんだけど、最新の少年ヴィヴィッドというか。ここが一旦の目的地というか。
このアルバムまでの自分は、ずっと同じ作風でずっと同じことをやって、同じ場所に立って、やりたいことに線を引き続けていたら何もなくなってしまうんじゃないか、という気持ちが強くて。そんな背景もあって毎回毎回新しい試みを、ちょっと違う作風を、とかいろいろとやってみていたんですが、逆にそのせいで立ち位置を見失ってしまった感じもあって。すげえ迷って、音楽めちゃくちゃつまらなくなってもういいや止めよう。音楽活動やめようと思ってました。
そんな中で1曲目のStand by Meという曲が生まれて。こいつが本当に良く出来た曲で。この曲のおかげでもうちょっと音楽やりたいなと思うようになった。そこから思い付いたもの全部形にした。そしたら良いアルバムになった。
僕は拙いながらも昔出したO2っていうアルバムが自分の代表作だと思っているんですが、これはそれに並ぶ少年ヴィヴィッドの代表作ですって推せるアルバムになったと思います。もし初めて少年ヴィヴィッドに触れるぞって人がいたらここから聴いてみて。




・『Dear』 ¥1000

 

4枚目のアルバム。思い出した頃にふと聴くとああ良いじゃんと思うCD。
結構精神的に落ち込んでた頃に作ったんですけど、Rewindと対照的にあれ、これでいいのかな・・・という、いまいちフィットしない感じというか。良いもの作った気持ちではあるけどほんとに大丈夫かな。すごくざっくり言えば、もしかして良くないもの作ったんじゃかなという気持ちで抱えてたCDでした。
そんな気持ちもあってあんまりしっかりと聴けずにいたCDだったんですが、時間を経るごとに聴けるようになってきて。今ではものすごい気に入っているアルバムです。
今聴くと我ながら、やっぱ当時の状況を少なからず反映してか、物凄いダウナーな空気が詰まってて、でもなんでかキレイにまとまったCDだなあと思います。デザインによるところもデカい。
時間をおいてからも、CDに詰まってる空気感が褪せないというか、変わらずDearっていう世界が中にある、アルバムというくくりで非常に良い立ち方をしてるなって思います。Letterと瓶詰の街という曲がこのアルバムの核だなー。
よくのあねこさんと話すんですが、このCDはデザインがホント良くて。一度手に取って眺めてみてほしいなあ。





という感じで、今回はこの4種類を持って行きます。
Little Stories以前の作品はおかげさまで完売しております。絶版!

当日は玖くんと二人で新譜の封入作業をやってると思います。




2016/10/03[Mon]

その日、世界は飽和した



  




というわけでまた出ます。紅楼夢で出ます。音の出るインダストリアル丸い板。
もう紅楼夢がホームみたいな感覚にすらなってきました。俺は関東人だ。

長いこと玖くんとなんかやろうやろうと言ってたのがこんな形になりました。
お互いのカバー曲も含んだ、1枚で2度おいしい全8曲入りスプリットアルバムです。

今回に関してはスプリットという特性上、一貫したコンセプト、アルバム単位でこういう表現をしようというこだわりは特になく、ただ好き勝手やらせてもらいました。
結果久しぶりに割とロックロックしいCDになったんじゃないかなと思っとります。
1曲ごと解説する気もありませんが、カバーの選曲についてだけ触れる。

・コルト
2012年に出したthe one's2というコンピアルバムに、天狗ノ舞が提供してくれた思い出の曲。
the one'sという前作のコンピにも1曲参加してもらってたので、どっちの方が良いかなーと迷ってこっちにしました。
ストレートにかっこいい曲をどうひねくれさせようかなーと悩んだら3/4と4/4を行ったり来たりの変な曲になりましたが結構気に入っています。

・濁流
カバーをもう一曲増やそう、ってなった時にどれやろうかめちゃくちゃ悩んだんですが、個人的に一番好きな「山の穢れ」から1曲やりたいなと思い、これを選びました。
メロがシンプルにかっこいいんですよね。ほんとに。これぞ玖くんって感じ。そのまま歌わせてもらいました。

そんな感じで、天狗ノ舞ファンに少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
個人的にはtr.5がほんと好きです。なんだあれ。あの1曲で全部負けた感ある。勝ち負けじゃないけれども。やられたなーって思いました。
カバーも面白いんだ。うちの曲がしっかり玖くん節になっててほんと面白いです。

あとはもうジャケット。忙しい中ほぼ出来上がったところを1回0にして描き直すことまでやっていただいたはがねさんにはほんとに頭が上がりません。
おかげで良いCDになりました。本当にありがとうございます。



そんな感じで、当日の頒布物等は後日まとめますが、CDが出ますよという事で。








2016/09/13[Tue]

大体カテゴリは雑記。



もうだいぶ前になりますが、はちみつれもん×AftergrowのTouhou Six String 01.秘Touhou Six String 02.封、そしてRephonicsのレタレイトというCDで歌詞を書きました。どれも平茸さん担当曲のみ。
気が向きましたので一個一個振り返りながら少しなんか垂れ流してみようかなあと思う所存。





-Touhou Six String 01.秘&02.封-

秘封倶楽部の楽曲で歌詞を書くときは、なんとなく蓮子視点でイメージを掴み始めることが多いです。
僕の中での秘封倶楽部はメリーという超常的な感性を持った人物から発っせられる言葉や行動を、とてもアクティブだけれどもごく平凡に近い蓮子というキャラクターがそれを受けて手を引き、右往左往しながら見つけたり導き出したりと・・・蓮子が振り回してるようで実はメリーに振り回されてる感じの。

なるべく、女性的になればいいなと思って書いていました。
自分のところでやるときはもうやりたい放題ですが、歌ってくれるヴォーカルはみんな女性の方ですし、ちょっと意識してみようかなと狙いつつやってみました。
狙い通りになっているかは怪しいところですが、そんな意図もあったりなかったりでした。

後は基本姿勢として、「オケの中で自分の表現」や「自分の主張」を行うのではなく、オケから受ける印象や魅力をもっと分かりやすく、強調していけるように自分のできることを行う、というのを心がけています。
というわけで、各曲オケから受けた印象と、気を付けた部分をなんとなく。


・P.S.
01の1曲目。正直、正直これ1曲目なのか!と思いました。意表を突かれたというか。
この曲は「箱庭抜け出し辿り着いた位相は こんなはずじゃなかった」
というフレーズがよくこの曲を表していると思います。
思っていた、理想とは違う結果になってしまったことを無理やり理屈で納得させようとしているというか、そんな感じでしょうか。
一歩踏み出してしまった。思っていた景色とは大きく違っていた、というのが最初の着想です。
変わらずそばにあるものさえ、前と違うものを内包しているのではないか、という疑心。
招いてしまった焦りや苛立ち。それがばれているという事もわかっているけれど。
なんかつかみどころがないんですが、そんな感じの感情がないまぜになった焦燥というか、そういうようなものが煽れていればいいなあと思います。



・Fly up higher!
01の3曲目。
曲がすごいポップだったんでこれはかわいい系を狙って書いてみようとまず定めて。
メロを聴きながらサビのところで「ダーリン」ってみねこさんの声で入れたらおそらくこんな感じのトーンで来るな。絶対美味しいのでは・・・?と思い、そこから色々と広げていったらこんな感じに。
最初にも触れましたが、なるべく女性的に書こうと思う中、この曲は特に意識しました。
かわいい中に少しビターな部分を内包してるというか、感傷とか明るさ、いたずらっぽさと素直さが同居してるな方向に寄せて行けるモチーフを入れようと思いながら言葉を選んでいきました。
割とこの曲は読んでそのままという感じがしますので、特に内容について語ることは・・・ないかなあ?
個人的には気に入ってる1曲です。オケもすげー好き。



・eureka
01の6曲目。個人的に仲の良い蒼ちゃんがヴォーカル。
曲調が疾走感ある感じなので、なるべく視界が開けた感じの歌詞を書きたいなーと思って書き始めました。
この曲はとにかくイメージ的には蓮子なので、ものすごい思考が纏わりついていつつも本質的にはシンプルでストレート!みたいな。「難解でわかりやすいもの」を目指してます。なんだそれ。
「左回りの規則性」とか時計のことだし。
多分小難しく言ってるけど求めてるのは簡単なことなんだよ、ってことで。
「砂粒を数えてても」はアルキメデスの砂粒を数えるもの
「箱に隠れた猫」はシュレディンガーの猫をモチーフにしてます。

しかし明るい曲の歌詞めっちゃ苦手です。なんでだろう。根暗だからかな。



・calling
8曲目。ほんとに良い曲だなーと思います。
オケをもらった段階で、これは感情が揺れているような情景を歌詞にしたいと思いました。
秘封という二人組。人間二人ですから相互に作用しつつ、その間には何らかの関係・感情が存在するだろうなという所から考え始めました。それは何だろう。確かにそこにあるんだけど。
名前を付けてしまっていいのだろうか。名前が付いてないから良いのではないのだろうか。
名前を付けることで、ここに確かにある関係が変わってしまわないだろうか、でも。

百合とかそういう意図はなく、家族愛や親愛のような、最上級の関係をそう呼ぼうと。そのくらいにとどめておきたいなと思います。が、そのように感じたらそれもそれで良いのかなと思います。
個人的にも近年書いた歌詞の中でもすごくうまくいった手ごたえがあります。かなり歌とメロに沿った言葉選びをしながら、情景が見えるようなものが書けたと思います。歌詞とはこうありたい。



・Step by the Step
02の2曲目。仮タイトルはfind a way、またはAstrayって感じでした。
これも明るいさっぱりとした曲なんで、前向きなテーマで書こうと思ってました。
秘封倶楽部の二人を想像しながら、二人でどこかへ走っていくようなイメージで。
この曲に関しては特に意識して難解にしているところもなく、前向きに、進んでいくこと、綺麗な空気感を持った言葉選びを意識して思うまま書いた感じです。

一番難しかったのは英詩部分。僕英語ほんと苦手で。大学時代単位落とした実績あり。
サビ裏のとん、とん、とん、とん と4音で鳴るコーラスは英語で、と平茸さんからの話があったのでこんな感じになりましたが、音の歯切れがよく、意味も良い感じの言葉を探すのが大変で大変で。
あとは2サビ後のCメロ裏のコーラスですね。
あそこは「Anxiety Lead me astray」(不安が僕を迷わせるんだ)と歌っていただいています。

この曲に限らずなんですが、英語が堪能な友人のM氏に英語部分変なところないかなとー相談・検証・アドバイス等行っていただきました。本当に助かりました。改めて、ありがとう。



・faust
02の4曲目。安心のみねこさん。言葉選びの個人的な出来栄えとしてはすごく気に入ってます。
テーマは読書。オケの印象はゆっくりと何かに浸ってゆくような印象でしたので、違う世界に飛び込むような、空想に浸れる読書をテーマにしてみようかなと。
いつものテーブルでおもむろに鞄から文庫本を取り出し、没入していくような様子を「今から抜け出してみる パラレルワールドまで」と表現してみました。ファウスト読んでるかは微妙。
「白い夜空に散った星」とはページに散らばる黒い文字のこと
「何でもない隙間にさえ意味を求めて」とは行間を読むということ
めっちゃ読書でしょ?どうだろう。

詩中に出てくるファウストはゲーテの作品を指しますが、タイトルのそれは作品の中身についてどうこうではなく、「難解なもの」という意味でfaustという言葉を使っています。



・fleaks
02の7曲目。この曲はすごく内向的というか、内側を向いてるなという印象でした。
また、原曲のタイトルにも影響を浮けました。サナトリウムと聞くと、僕はどうしても精神系のイメージが強く、曲もダークな雰囲気がありますし、より暗く内に向かうような方向で行こうと。
その際、綾辻行人の小説で、精神科病棟を舞台にした「フリークス」というのを思い出し、これを発想のたたき台にしようと一度読み直してから歌詞を書き始めました。タイトルはここから頂いています。
この頃自分の中でぼーっと考え事をする際によく出てきたテーマで、異常と正常の境目はどこで、だれが線を引いたのかというものがあり、そういうものを描きたいなと思っていました。
「さぞ自意識に歪んだ尺度で語ればいい」という部分が一番言いたかった部分かなあ。
これも言葉選びはものすごい気に入っている作品です。



-レタレイト-

打ってかわってこちらはいつも通りに、自分のサークルでやるような感じで1曲書いてみました。
ので、基本姿勢は上述のままに、自由に思うまま言葉を選びました。



・風花
5曲目収録。おてんば恋娘ですね。
チルノに対しての個人的な感覚は自サークルの楽曲usotsukiでだいぶ満足した出来の歌詞がかけてしまったので、さてどうしようかなという感じだったのですが。
楽曲から受ける冷たさ、切なさというか、冬っぽさというか。そういうテーマで書いてみようかなとまず思いました。
また、同じようなテーマで少年ヴィヴィッドの前身サークル空ノ調べに真冬の花という曲を書いたことがあるのですが、今の自分がそれを同じような気持ちで書けたら、この曲に合うだろうかと書いてみたところ、意に沿うものができたのでこんな感じに。
とにかく寂しげな雰囲気が伝わるような言葉で色付けできたらなと思っていましたが、うまくいったんじゃないかなーと思っています。







そんな感じでしょうか。
曲自体は僕の物ではありませんし、あまり語らない方が綺麗なものもたくさんあると思います。
最初に書いたように、曲の雰囲気や持っている魅力を、言葉を付けることで強調したり、具体的にしていけたらいいなと思っています。
また、ここに書いたことが正解ではないですし、それを強要するつもりはありません。こう捉えろ!という意図は全然ないんだ。
あくまで僕の中の正解ですので、例えば僕が「トマト嫌いだ」と書いた歌詞を「お、これはほかの野菜は全部大好きって言ってるんだな」みたいな、自身のフィルターを通していろんな捉え方をしてもらえたらなと思います。
それぞれの正解を大事にしつつ楽しんでいただけたらなあと思います。


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